▶実践から学んだこと

長年にわたり、国内・海外で多くの情報システム実践の中から、デジタル化をスムーズに導入・運用するための経験を積んできました。皆様のご参考になればと思いその一部をご紹介させていただきます。

1つ 目の前の課題を解決する
ほとんどの中小企業では1人が掛け持ちで仕事をしていることが多く、新しくデジタル化を取り入れていく余裕がありません。
そこで、はじめに仕事を見て、多くの時間を取られているものや、何がやりずらいかなど調べて、まずはその部分をデジタル化してみるのがいいと思います。誰だって余裕がなければ新しいことを始められるわけもありませんので。

2つ 小さなことから始めよう
どこの企業でも日々改善活動など行っていると思いますが、改善とは大規模な改善よりも小さい積み重ねが大切と思います。デジタル化も同様で経験をすることで自信や思考も身に付きやがて大きな成果につながるものだと思っています。

3つ 開発に時間をかけるな
システム開発には数か月~数年かかるものもありますが、中小企業ではそんなにかけたら当初の仕組みや状況も変わって計画通りに進まなくなり、いつまでもシステム化ができないことが多々あります。スキルがあり時間とコストをかければできるかもしれませんが、それでは中小企業には合わないのです。そのためには、早く、簡単に開発ができることが最大の条件になるのです。

4つ 担当者に丸投げするな
デジタルに苦手な中小企業にいえますが、IT担当者にすべてお任せのところが多いです。そこそこパソコンに詳しいからと担当にしても、業務のことを詳しくない人に業務改善といっても無理難題になるだけです。せめて業務を把握してる責任者を設け、目標・計画・部門連携が取れるようにしましょう。


▶クラウドシートⅡのルーツ   

汎用コンピューター時代は、システムもデータも1つしかありませんでしたが、パソコンが誕生してExcel・Word・個別パッケージソフトが使えるようになり、ユーザーにとっては柔軟で便利ですが、ハードもデータも分散化になるため、一元化できずに企業にとっては不都合も生じてしまいます。
しかし、誰もが一元化アプリの開発ができるわけではありませんので、結局はExcelやパッケージソフトで事を済ませてしまうようになります。
20年前にマイクロラボ社宮森社長と出会い、宮森社長が開発された「X・Cute」製品を見て、Excelに慣れたユーザーには分かりやすく、使いやすさと、国内でも海外のどこでもExcelは使っていたので、すぐに取り入れてシステムやデータの一元化に成功することができました。この経験が、「クラウドシートⅡ」のルーツになっています。


▶クラウドシートⅡのアジャイル開発

ビジネス環境の変化、客先システムの変更、ハード・ソフトの進化、日々の改善などに対応するためには、開発したシステムやパッケージソフトを永久に使う事は難しく、システムを変えていくには費用も時間もそしてスキルも必要になってきます。
ここでいうアジャイル開発とは、そのような変更に対してスムーズ対応できるものを指しており、今までのように変更にかかる工数を改善や運用に回した方が、よっぽど事業や経営のためになると思い進めています。

従来の「ウォーターフォール型」と異なり「アジャイル型」は改善しながら効率的に進めます。

ウオーターホール

アジャイル


 「開発」に時間をかけるよりも「運用」に力を入れることができてより成果を得られます。

開発工数

運用工数




▶21世紀の経営者は、デジタル活用の見せどころ

デジタルを導入するだけで儲かるなら誰もが実現しているはずです。導入するだけで効果が見込めるのは人手を介入させている業務です。しかしこれは人件費などのコスト削減を中心とした20世紀型のデジタル活用です。
これからはデジタルでいかに人材能力を発揮させチーム力を高めるかが大切で、まさに中小企業にとっては経営手腕の見せどころといえます。



▶DX(デジタルトランスフォーメーション)へのステップ3

◆ステップ1  アナログ的な業務をデジタル化することを「デジタイゼーション」といいます。
◆ステップ2  業務プロセス全体のデジタル化することを「デジタライゼーション」といいます。
◆ステップ3  新しい価値を生むための製品やサービス、組織をデジタルで変革することを
       DX「デジタルトランスフォーメーション」といいます。

これまでのIT基盤を、「社内」から「顧客や社会」に視点を向けることがDXの第一歩といえます。
まずはステップごとに進めていきましょう。